ディズニーシーの話

皆さんは「東京ディズニーシー」へ行ったことがありますか?

 

ディズニーシーといえばJKやカップルがよく来ることで有名な場所。

それ以外の人でも楽しめるので、高い金を払ってでも行ってしまう魔のテーマパークである。ここへ来てしまった人間たちは大抵、

タワーオブテラー怖いヾ(。>д<)シ 

やら

海底2万マイル暗ーい (ノД\lll)

などとひと通り遊んだ後は、「楽しかった」という小学生の作文以下の感想を話し、何ともいえない高揚感のまま寝床に入る。大体これが普通の流れである。

 

自分もこの高揚感が好きで、1年に1度くらいはディズニーシーに行く。つい先日にも行って来たぐらいだ。メンバーは男子4人。全員高校の同期で、元から仲は良かったのだが、メンバーの構成的には初めてだった。

 

僕らはまず、タワーオブテラーに乗った。

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タワーオブテラー前のCrash

 

もう何回も乗っていたため、普通の乗り方は飽きていた。そこで敢えて無表情で乗るというちょっと迷惑なことをしてみる。面白さが半減した。

 

こうやって書いていくとキリがないので端折りながら書いていく。

 

そんなこんなで「シンドバット」というアトラクションに乗ることになった。シンドバットというのは、ランドでいう「イッツアスモールワールド」のミュージカル版のような感じで、舟型のライドに乗って世界観を楽しむ、開園当初からの歴史あるアトラクションだ。しかしこのアトラクション、ストーリーも歌も素晴らしいのだが、眠くなる。こうなるのは自分だけなんだろうか?と思い、「ディズニーシー シンドバット」で検索してみると、「休憩所扱いするな!」というまとめサイトが最初に出てきた。ちょっとクスッときた

 

もう乗らなくていいやと心に決めて、ふと時計を見ると午前11時。僕らはちょっと早めの昼食をとった。値段はお高めだったが、そこそこのうまさだったので満足した。腹も満たしたので、ここで少し休憩したのだが、1人の友人が3DSを僕に手渡した。なんだろうと画面を見ると、桃鉄だった。1台でも回しプレイで4人対戦ができるとあって白熱した。気づけばアトラクション並んでいるときもずっとやっていた。

 

白熱しすぎた。餃子ドック(肉まんの中に餃子の具が入っている)のお店でもう1時間以上やっていた。潰しあいの連続で友情崩壊になりかけ、流石に中断した。

 

気分転換にまたあのシンドバットに乗ることになった。地獄だった。約10分間の拷問。4人とも桃鉄で疲れ切っていたのでぐったりしながら乗っていた。

 

やっと終わりを迎え、事前に取っていた「レイジングスピリッツ」に向かおう。としたのだがまだあと20分ある。今考えると本当におかしいのだが、またシンドバットに乗った。乗ってしまった。そう僕らは桃鉄疲労感から判断力が薄れ、あんだけボロクソにいっていたシンドバットに乗ってしまったのだ。

 

それから僕らは壊れてしまった。レイジングスピリッツに乗る前に友人(僕が最初かもしれない)が、「これはレイジング・シンドバットだ」と。何から何までシンドバットに見えてきてしまった。このシンドバットはなんで音楽も人形もないんだろうと疑問に思ってしまう自分。アトラクションに乗ればシンドバットの

コンパスオブユアハート

を口ずさむ。歌詞は曖昧だが。疑問に思う人は一人もいなかった。

 

本当はこのあとに「センターオブジアース」に乗る予定だった。だがもう行く先はシンドバット。隣にいた1人の友人が意味もなく笑い出した。もうだめだ。

 

シンドバットが怖い。発端である桃鉄も頭から消えた。シンドバットが怖い。

 

気づくとディズニーシーの外にいた。もう時刻は8時。帰りの武蔵野線は混雑していた。ふと電車の窓に映った顔を見てみると、目の焦点があっていなかった。

 

1人の友人が帰り、3人残った僕らは駅前のラーメンを食べた。

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背油

 

2人に別れを告げ、帰路へ。

寝床につくと、そこには高揚感は一切なく、シンドバットの音楽と映像だけが頭に残っただけだった。